Typst備忘録
https://typst.app/docsを解読しているのでその内容を日本語で解説してみる。
自分はtexで美しい文章を書く方法についてはあまり無知である。(texでテンプレートなどが駆使されていないいわゆる"plain"な文章しか書いたことがない。)
で、Typstだとtex品質でかつそのようなテンプレートのいじり方の学習コストが低そうだと推測したのでTypstについて学習してみる、というのが一つのモチベーションである。
入門
https://typst.app/docs/tutorial/を解釈してみる。
オンラインエディタの導入
https://typst.app/ でアカウントを作ることでオンラインエディタを使うことができるようになり、便利。(自分のパソコンに処理系を導入する方法も存在するのだろうが、話がややこしくなるのでカット。)
Typstの書法
手軽に章立て・節立てができる。(\section{}, \subsection{}, \subsubsection{}の関係を意識しなくて良い, これはmarkdownでも同じかも。)

手軽に箇条書きができる。(\begin{itemize}~\end{*}を意識しなくて良い, これもmarkdownでも同じかも。)

手軽に図の挿入ができる。図のキャプション、参照の入れ方は以下のように...

手軽に式の挿入ができる。式環境はtexと違って$*~*$で統一。$$の中のセンテンスの最初と最後に半角スペースを挟むとequation環境になり、挟まないと文章中の式環境になる。


全体の所感として、markdown/tex記法のいいところが採用されている気がする。図の配置調整・章立ての番号変更・式の配置などの調整はtexでの面倒ごとだったが、それについては後々見ていくことになるだろう。
(ここでは引用の方法などについても紹介されていた。.bibという拡張子のファイルを作成して一気に引用するという方法が紹介されていて便利そうだったが、現時点ではあまり時間を割く価値がないので省略する。)
フォーマット
文章のフォーマットを適切に整える方法について解説。
ルール設定
Typstには諸々の関数が存在するようで、その中で
2023年前期科目のふりかえり
例のごとく前期に履修した科目についてまとめておこうと思う。
全学生共通科目
文系教養
科学論Ⅰと外国文献研究の単位を取得した。外国文献研究は聖書物語(イサクの燔祭・十戒・ヨナ記)についての英語の研究書を読解する授業。真っ当な成績はきたが、予習のウェイトが結構大きかったという感想。科学論に関しては、あのような内容のレポートでなぜ真っ当な成績が来たのかは皆目検討がつかない。
熱力学
ss先生の熱力学を受講していた。熱力学は高校のときから興味があったので楽しみにしていたが、理論展開が高校のときと全く違う(かなり公理的に議論が進む)ので面食らった部分もあった。
指定教科書は同じくss先生の書いた熱力学。
この教科書を執筆した当時についてss先生曰く、「この頃の自分は熱力学を全く理解していない」とのことだったが、いかんせん自分は藤四郎なのでこの教科書の具体的にどこの部分がおかしいのかは分からなかった。わかりやすい教科書だったと思う。
復習を一切していなかったので、途中でついていけなくなってしまったが、熱力学の理論展開を整理すると講義がわかるようになり、テストも大部分を解くことができた。(テストの方はほとんど過去問*1から出題されたのではあるが...)
講義の最後の方で管でつながった二つの風船のエントロピーを計算する問題を解くのだが、そこで情報理論で出現する2値情報源のエントロピーの式が出てきて興味深かった。実際に、情報理論のエントロピーは統計力学からの借り物であり、熱力学と統計力学と情報理論は深い繋がりがあるとのことだった。
ベクトル解析
クラス指定のベクトル解析を受講した。
指定教科書はなかったが、参考書として
あたりが挙がっていた。参考書のレベルも高いが講義資料のレベルも高く、講義資料の方はほとんど読まなかった。(おそらく多様体の事項をかなり意識して書いてある)しかし、授業内容はある程度知っていたのでテストの方は十分に点数をとることができた。
テスト問題は、
が出た。
微分方程式
skj先生の微分方程式をとった。どうやら理学部のクラス指定の講義だったようだ。
教科書は
という順番で進む。(個人的には非常に明快だった。)毎回授業内容の感想の提出があり、ときたまレポートが課されるという感じだった。
試験には計算問題だけが出る。かなり理解した状態で受けたつもりだったが、計算ミスで大問一問が吹き飛んだようで悲しかった。
確率論基礎
指定教科書は覚えていない。講義もほとんど行っていない。
積分の変数変換と期待値・分散の計算ができれば降ってくる単位。
線形代数学続論
指定教科書はない。講義もほとんど行っていない。
ジョルダン標準形までわかっていれば降ってくる単位。
工学部科目
グラフ理論(数理)
指定教科書はなく、講義資料を用いて講義が進む。講義資料がとても秀逸で、講義資料だけで自習できるようになっている。出版するべきだと思う。
講義は講義資料の補足をするという形式だった。毎回小課題がでて、それを提出する。成績評価は小課題と期末試験で行われる。
正直興味もそこまでないし、自分にはあまり向いていない分野なのではないかと懸念していたが、しっかり内容を追ってみると興味深いところが多かった。グラフの理論の解説よりもアルゴリズムの原理などを追うことにウェイトがかかっていたので、どちらかというと応用寄りの授業だった。講義内容をtex打ちしながら聞いていたのがとても理解に効いたと思う。期末試験も特別の知識が必要な問題は出なかった。
情報符号理論
教科書は
非常にわかりやすい教科書で、試験前にも重宝した。
情報量という量を定義することで、通信の効率と安定性を高めるための議論をする講義だった。主に「情報源符号化定理」「ひずみを許す場合の情報源符号化定理」「通信路符号化定理」を使うことがメインだったように思う。(どの定理も証明を追えていない。)これらの定理のステートメントを述べて、あとはテクニカルなことに注力していた印象がある。
通信路符号化の「巡回符号」という単元のところで、代数的な考え方を使って 巡回符号の性質を説明していくところが面白かった。
試験問題は公式配布される過去問と類似していたので、ある程度解くことができた。
論理システム
講義にほとんど行かなかったため、授業の感想を述べることはできない。
概ね理解して行ったが、順序集合の話や講義内容の最後の方の「MIL記号法」が理解できなかったので、試験結果はイマイチだった。
プログラミング演習(数理)
数値計算に関するレポートが毎回出題され、それを授業内でこなしていくという形式の講義。tex打ちのやり方、基本的なC言語、数値計算のさわりがわかっていれば確実に単位は来ると思う。
レポートの構成や考察等がイマイチだったと思っていたが、思ったよりもいい成績が来た。
途中から全く講義に行っていなかった。
基礎数理演習
一回生科目である「微分積分学A・B」「線形代数学A・B」「物理学基礎論A・B」「力学続論」の復習を演習形式で行う科目。定期テストが毎回行われるような感じの講義だった。資料持ち込みは事前配布される資料のみ可で、分からないところは教授やTAに質問すればヒントをもらえたりする。
問題は基本問題2セクションと応用問題1セクションで構成されていて、数学は骨のある計算問題多め、物理は演習書にたいてい載っているような問題が多かった印象がある。完答できた回はそこまで多くなかった。
この基礎数理演習でもらえる資料は院試のときに重宝するらしいので、残しておくことが推奨される。(自分はいくつか捨ててしまった。)
その他
解析力学
理学部科目の他学部聴講というものをやってみた。
授業にあまり行っていなかったが、教科書の定義や定理を見て満足して、演習問題をロクにやっていなかった。試験に行っていざ問題を解いてみると、自分が全く何も理解していないことを痛感する結果になった。
単位は取れなかった。
自主ゼミ~線形代数学続論~
池田線形で自主ゼミが継続中。
試験前までにジョルダン標準形が終わった。
*1:過去問はここに転がっています。http://www.ton.scphys.kyoto-u.ac.jp/sasa/kako/table.html
近況
1年ぶりほどの更新になる。twitterが非常に使いにくくなっているので、こちらの方も近況報告に活用していきたいと思う。
前年度後期
単位は無事全部取得した。
・微分積分学B
単位が降りてくることで有名な講義。内容はとても面白かった。通常の微積の講義で扱われるはずの極値問題を全くやらない。その分陰関数定理・逆関数定理・リーマン積分(多変数)の理論などをかなりしっかりやっていた。陰関数定理・逆関数定理に関しては有り難みが全く分からなかったが、リーマン積分のパートはとても興味深く思った。この講義の試験対策の中で数学の勉強のやり方が少しわかるようになった。(証明は全部追わなくてよい, ノートの作り方...etc) 試験・小テストは難しい問題はあまり出題されなかった。(コンパクト集合とかの証明問題は難しかった)
・線形代数学B
夏休みの間にベクトル空間の概念にかなり習熟した(つもり)こともあって、単位は楽に取れた。この講義に関しても恐らく単位が降ってくるようになっている。(出席して、期末試験を半分解いたらそれなりの成績がくる)
・最適化入門
種々の最適化問題の定式化をやった後、線形計画の具体的な方法について学ぶ講義。途中でよく分からなくなったので授業に出ずにいたら工学部の教務から連絡が来たのが印象的だった。シンプレックス・タブローについては明瞭な理解が得られなかったが、双対問題などについてはよく理解できた。試験の過去問は公開されるので対策もしやすかったし、良い成績を残すことができた。
・アルゴリズムとデータ構造入門
競技プログラミングをやっている人には楽しいと思われる。終盤の方の内容(P, NPなど)はとても難しく、ついていくことができなくなってしまった。計算量やソートなど、最低限の内容は学修できたと感じている。一方、期末試験ではP・NPなどの難しい問題は一切出題されず、それなりの成績を残すことができた。(グラフ上のアルゴリズムなどが多数出題されていたので、そちらの方に注力して勉強していればよかったと思う。) 講義の終盤ではP・NPだけでなく、機械学習とかの方面に応用が効く話も扱っていたりと内容はとても豊富だった。
他にも複数の単位を取ったが、ここでは扱わない。
コース配属
情報学科生は前期・後期の成績をもとにしてコース配属(数理工学コースor計算機科学コース)が行われる。自分たちの代は数理工学コースがとても不人気であって、クラスラインの予備調査で数理工学コースの希望者が20人程度しかいなかった。(注: 数理工学コースの定員はおよそ45名) 結果として少なくない数の人たちが計算機志望数理配属となったようである。(その後の数理工学コース歓迎会で、計算機志望数理配属の人々へのフォロー・および計算機科学コースのネガキャン・数理工学コースへのポジキャンが行われていたのが印象的だった。)
なぜこれほど数理コースが不人気だったのかは不明である。「前年度や前々年度はほぼ全員が希望のコースへ配属されている」ということが配属説明会などの場所で教授たちによってたびたびアナウンスされていたので、それが影響したのかもしれない。
自分は数理工学コース希望で、数理工学コースへ進むことになった。
自主ゼミ
今年の春くらいから自主ゼミというものを始めてみた。紹介しておこうと思う。
・確率基礎
初の自主ゼミ。本としては『コルモゴロフの確率論入門』を読んだ。
組み合わせ的確率論→乱歩→確率変数という流れで確率の基礎を学ぶ本だが、内容が非常に重たい乱歩のところをほとんど飛ばしてしまったため、爆速(約1ヶ月)でゼミが終了してしまった。
・曲線・曲面
前のゼミに同じ学科の人を加えて継続で進めることになったゼミ。(当初、自分はあまりこのゼミに乗り気ではなかった。) 本としては『曲線と曲面の微分幾何』を読んだ。
2次元曲線→3次元曲線→曲面という順序で進んだ。(極小曲面は飛ばした) ゼミのメンバーのモチベーションが高かったため、スピード感をもって進めることができた。(2ヶ月ほどで終了) 微分形式など、分からないままほったらかしにしている内容も多いので、適宜補っていきたいと思う。この本を読んだ後、積読にしていた『多様体の基礎』を読んでみると、序盤に登場する概念定義の意義がよく分かってきたのでかなり感動した。(1年前高校の数学の先生に薦められて買ったときは何のための概念定義なのか分からなくて挫折してしまっていた。)
内容は決して易しくなかったが、ゼミを通じて数学書の読み方など、色々なことを学ぶことができたのでとても有意義だったと思う。
・線形代数学続論(進行中)
曲線・曲面ゼミと同じメンバーで線形代数学続論ゼミを行うことになった。本としては『テンソル代数と表現論』をやっている。
現在は2章まで終わっている。(スペクトル分解・ジョルダン標準形まで) 後半の内容が相当難しいように思われるので、気合を入れて頑張っていきたい。(読了に1年くらいかかるかも)
現在は試験期間につきゼミ停止中。
近況
近況報告
・免許取得
教習場の卒業検定をパスした。卒業検定ではいろいろしくじったものである。運転中のテンパりは数度あったが、最も危険だったのが信号前で駐車していた車の真横で信号待ちをしたこと。間隔が多分10cmぐらいになっていた。教官にも釘を刺された点である。
まぁ車の運転にまつわることはいろいろあったが(その話はここではおくとして)、あとは免許センターに学科試験の受験に行くだけになった。ちなみに僕の住んでいる地域は免許センターが大人気で、一度落ちてしまうと1か月くらい平気で待たされてしまうので絶対に不合格にならないようにしたい。
免許取得までにかれこれ4か月近くかかったことになるし、他人よりかなり遅い取得であるのは十分に承知しているが、運転の楽しみを知れたのはかなり良い経験になったと思う。早速車の運転にかかりたいものである。とても楽しみだ...
余談だが、免許取得は絶対にMTを勧めておく。
・数学(主に線形代数学)
池田岳の『テンソル代数と表現論』を進めていた。まだ1章しか進めていないが、行間ほぼなしである。ただ、行間が少ない分だけ演習問題が相当難しい気がする。この調子でじっくりやっていきたいし、ある程度理解が進めば先へ先へ進めていきたいと思う。
というより数学は代数系しか興味がわかなかったのにかまけて線形代数学ばかり進めていた。これは反省すべきことである。ここにそう考えるようになった経緯を記録しておこうと思う。
本屋に行っていたとき、数学書の本棚で中高の数学の先生を見かけた。声をかけたところ相手も自分のことを覚えていたようであった。そこで自分がこの夏に微分積分学にやる気が起こらないので線形代数学しかやっていないことを話したところ、その程度のレベルでえり好みをしているようではこの先の道はないから微分積分学もやっておいた方がいいと言われた。目から鱗が落ちた。確かに学問というのは最初からえり好みをしてやっているようでは何もスタートしないものである。解析系もやりこんでみようかなと思った瞬間であった。
まぁそこから数学科出身の圧倒的才能と知識を感じるやり取りをしてその先生とは別れたのだが...
自分は情報学科なのでこれからの数学との付き合い方も考えなければならないなと考えた瞬間でもあった。
今後の展望
一変数の微分積分の計算や、線形代数の線形空間や固有値のところまではわかるようになってきた。前期は微分積分学についていくのにいっぱいいっぱいで自分の世界を広げることができなかった感があるので、後期からはもっと自分の世界を広げていけるとよいと思う。
具体的には
個人的にフ―リエ解析と確率論にはなかなか興味が湧いてきたので、その前提知識となるルベーグ積分はトライしたいと思っている。以前、わんこら氏がリーマン積分をすっ飛ばしてルベーグ積分を学習したという話をしていたので大丈夫だろうと信じて進む...参考書は入門の定番として有名な『ルベーグ積分入門』(伊藤清三)を購入しようと思っている。
・線形空間
夏休みの間に齋藤正彦の『線型代数入門』を使って、ベクトル空間の公理から、行列の演算の力を借りて「任意の線形写像は行列と対応する」「次元の一意性」「次元の定理」「部分空間と直交補空間の直和はもとの空間と一致する」「正規変換に対する固有空間は直交し、直和をなし、固有ベクトルは正規直交基底をなす」(それぞれ定義と条件があいまいだが許してほしい、)などの直観では説明しがたい、驚くべき定理を次々と証明していく鮮やかさに惹かれ、ぜひもっと高度な線形代数を勉強してみたいと思った。斎藤毅の『線形代数の世界』もよいとおもっていたが、立ち読みして前提知識を吟味した結果、池田岳の『テンソル代数と表現論 線型代数続論』を購入することにした。
・確率過程・確率論
まだ全く始めていない分野である。昔古本屋で買ったまま読んでいなかった『確率・統計入門』(小針晛宏)がパラパラめくっているととても面白いことを悟ったのでこちらを極めたい。
自己紹介
某大学情報学科生。
現在は1回生につき、主に微分積分学、線形代数学を学習中。まわりの人々と比べてとくに数学が得意というわけではない。前期の微分積分学はぎりぎりGPA3、線形代数学は単位取得条件ギリギリで通過した。(もっとも線形代数学は、講義の内容が退屈になってほとんどの講義に出席しなかったため出席点が一切出なかったせいだと信じたい...)
数理工学の方面に興味がある。最適化、制御論、信号処理、非線形力学など(なお全エアプ)
好きなことは旅行、競馬観戦、野球観戦、運転など。(中学・高校では山岳部に所属していたので山登りも好きだが、大学に入るまでに体力が落ちて山登りを再開できないでいるので、登山を趣味とは名乗らない。)










