例のごとく前期に履修した科目についてまとめておこうと思う。
全学生共通科目
文系教養
科学論Ⅰと外国文献研究の単位を取得した。外国文献研究は聖書物語(イサクの燔祭・十戒・ヨナ記)についての英語の研究書を読解する授業。真っ当な成績はきたが、予習のウェイトが結構大きかったという感想。科学論に関しては、あのような内容のレポートでなぜ真っ当な成績が来たのかは皆目検討がつかない。
熱力学
ss先生の熱力学を受講していた。熱力学は高校のときから興味があったので楽しみにしていたが、理論展開が高校のときと全く違う(かなり公理的に議論が進む)ので面食らった部分もあった。
指定教科書は同じくss先生の書いた熱力学。
この教科書を執筆した当時についてss先生曰く、「この頃の自分は熱力学を全く理解していない」とのことだったが、いかんせん自分は藤四郎なのでこの教科書の具体的にどこの部分がおかしいのかは分からなかった。わかりやすい教科書だったと思う。
復習を一切していなかったので、途中でついていけなくなってしまったが、熱力学の理論展開を整理すると講義がわかるようになり、テストも大部分を解くことができた。(テストの方はほとんど過去問*1から出題されたのではあるが...)
講義の最後の方で管でつながった二つの風船のエントロピーを計算する問題を解くのだが、そこで情報理論で出現する2値情報源のエントロピーの式が出てきて興味深かった。実際に、情報理論のエントロピーは統計力学からの借り物であり、熱力学と統計力学と情報理論は深い繋がりがあるとのことだった。
ベクトル解析
クラス指定のベクトル解析を受講した。
指定教科書はなかったが、参考書として
あたりが挙がっていた。参考書のレベルも高いが講義資料のレベルも高く、講義資料の方はほとんど読まなかった。(おそらく多様体の事項をかなり意識して書いてある)しかし、授業内容はある程度知っていたのでテストの方は十分に点数をとることができた。
テスト問題は、
- 四平方の定理(四面体)の証明
- 線積分・面積分と積分定理諸々の計算
- 陰関数定理(f(x,y) = a)
が出た。
skj先生の微分方程式をとった。どうやら理学部のクラス指定の講義だったようだ。
教科書は
- 初等解法の紹介
- 基礎定理のステートメントを述べる
- 基礎定理を応用して諸々の結果を導く
- 演算子による解法(微分演算子の多項式を使う)
- 線形方程式の大域理論
- 基礎定理の証明
という順番で進む。(個人的には非常に明快だった。)毎回授業内容の感想の提出があり、ときたまレポートが課されるという感じだった。
試験には計算問題だけが出る。かなり理解した状態で受けたつもりだったが、計算ミスで大問一問が吹き飛んだようで悲しかった。
確率論基礎
指定教科書は覚えていない。講義もほとんど行っていない。
積分の変数変換と期待値・分散の計算ができれば降ってくる単位。
指定教科書はない。講義もほとんど行っていない。
ジョルダン標準形までわかっていれば降ってくる単位。
工学部科目
指定教科書はなく、講義資料を用いて講義が進む。講義資料がとても秀逸で、講義資料だけで自習できるようになっている。出版するべきだと思う。
講義は講義資料の補足をするという形式だった。毎回小課題がでて、それを提出する。成績評価は小課題と期末試験で行われる。
正直興味もそこまでないし、自分にはあまり向いていない分野なのではないかと懸念していたが、しっかり内容を追ってみると興味深いところが多かった。グラフの理論の解説よりもアルゴリズムの原理などを追うことにウェイトがかかっていたので、どちらかというと応用寄りの授業だった。講義内容をtex打ちしながら聞いていたのがとても理解に効いたと思う。期末試験も特別の知識が必要な問題は出なかった。
情報符号理論
教科書は
非常にわかりやすい教科書で、試験前にも重宝した。
情報量という量を定義することで、通信の効率と安定性を高めるための議論をする講義だった。主に「情報源符号化定理」「ひずみを許す場合の情報源符号化定理」「通信路符号化定理」を使うことがメインだったように思う。(どの定理も証明を追えていない。)これらの定理のステートメントを述べて、あとはテクニカルなことに注力していた印象がある。
通信路符号化の「巡回符号」という単元のところで、代数的な考え方を使って 巡回符号の性質を説明していくところが面白かった。
試験問題は公式配布される過去問と類似していたので、ある程度解くことができた。
論理システム
講義にほとんど行かなかったため、授業の感想を述べることはできない。
概ね理解して行ったが、順序集合の話や講義内容の最後の方の「MIL記号法」が理解できなかったので、試験結果はイマイチだった。
プログラミング演習(数理)
数値計算に関するレポートが毎回出題され、それを授業内でこなしていくという形式の講義。tex打ちのやり方、基本的なC言語、数値計算のさわりがわかっていれば確実に単位は来ると思う。
レポートの構成や考察等がイマイチだったと思っていたが、思ったよりもいい成績が来た。
途中から全く講義に行っていなかった。
基礎数理演習
一回生科目である「微分積分学A・B」「線形代数学A・B」「物理学基礎論A・B」「力学続論」の復習を演習形式で行う科目。定期テストが毎回行われるような感じの講義だった。資料持ち込みは事前配布される資料のみ可で、分からないところは教授やTAに質問すればヒントをもらえたりする。
問題は基本問題2セクションと応用問題1セクションで構成されていて、数学は骨のある計算問題多め、物理は演習書にたいてい載っているような問題が多かった印象がある。完答できた回はそこまで多くなかった。
この基礎数理演習でもらえる資料は院試のときに重宝するらしいので、残しておくことが推奨される。(自分はいくつか捨ててしまった。)
その他
理学部科目の他学部聴講というものをやってみた。
授業にあまり行っていなかったが、教科書の定義や定理を見て満足して、演習問題をロクにやっていなかった。試験に行っていざ問題を解いてみると、自分が全く何も理解していないことを痛感する結果になった。
単位は取れなかった。
自主ゼミ~線形代数学続論~
池田線形で自主ゼミが継続中。
試験前までにジョルダン標準形が終わった。